ガーデンカタログ
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水栓金具のように内部に空洞がある鋳物の場合、空洞の部分を形づくるための中子という型が必要になる。中子は、砂を型に充填して焼成したもの。一つひとつがすべて消耗品で、鋳造後には粉々に砕かれ、鋳物の内部から取り除かれる。しかし、その精度はとても重要で、熔けた金属の高温に耐える強度や耐熱性に加えて、崩壊性のよさも厳しく要求される。製品の型(主型)を使い、元となる砂型をつくる。砂は型の成形がしやすく、流し込んだ金属が固まるときに発生するガスを砂粒の隙間から速やかに放出させる。また保温性があり、金属が急激に冷却されることがないため、鋳肌が美しく質のよい鋳物になるというメリットもある。完成した砂型の凹みに中子をセットし、この上に対になる型を合わせてプレスする。〈中子をつくる〉 水栓金具ができるまで〈砂型をつくる〉 〈製品を型から取り出す(脱型)〉 機械により、ねじ切り、内径開けなどの加工を行う。〈機械加工〉 〈検査・組み立て〉 金具の腐食を防止するため、製品の表面をメッキでコーティングする。加工の前に、製品を専用の器具にラッキング。まずは、ここまでの工程で表面に付着した油分を強アルカリ液で脱脂する。次に、ニッケル板を溶かしたニッケル液の槽につける。この槽には電気が流れており、(銅は電気を通すので)銅の表面に液中のニッケルイオンが付着しコーティングされる。何ミクロンという皮膜の厚さに応じて、電流量は調整される。〈メッキ加工〉 約30分後、銅が冷えたら砂型に振動をかけて崩し、製品を取り出す。さらに、ショットブラストとよばれる機械に製品を入れ、ステンレスのカットワイヤー(ショット用研磨剤)を吹きつけて内部の中子を粉砕し取り除く。使用後の砂は成分を調整し、再利用される。銅を1200℃で熔かしながら不純物を丁寧に取り除く。熔けた銅を砂型に流し込む。〈材料を熔かし、鋳込む(注型)〉 〈鋳離し・バリすり・研磨〉 砂型から取り出したそのままの状態から、製品部分を切り離す。鋳型の合わせ目や金属の流し口などにできる突起物を削り取り、表面をきれいに研磨する。水栓金具にとって、水漏れは絶対にあってはならないこと。製品を水槽に入れて内部に空気を通し、漏れなどの欠陥がないかを一つひとつ検査する。欠陥がないことが確認できたら、そのまま組み立てまで行う。FAUCET WORKS393

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