ガーデンカタログ
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「衛生陶器」に、磁器製が選ばれ続ける理由。「衛生陶器」という言葉が広く浸透しているように、私たちは何気なく「衛生器具は、陶磁器でなければならない」と思い込んでいるところがあります。そして、ホーローやプラスチック、ステンレススチールなどのさまざまな工業材料が出回るようになった現代も、陶磁器はこの分野での中心的な材料として認知されていることもまた事実です。そのなかでも、衛生器具の素材に磁器製が選ばれ続けている理由とは、一体何なのでしょうか?トイレや洗面室、浴室などの水まわりで使用する設備のうち、特に衛生面において高い品質を求められるのが便器や洗面ボウルなどの衛生器具です。衛生という観点から、それらの器具がクリアすべき条件を考えてみると、①吸水性がなく強度があること、②汚れが付きにくく落ちやすいこと、③酸やアルカリに侵されないこと、④洗浄や排水などの機能のための複雑な形がつくりやすいこと、などがあげられます。そして、これらの条件をすべて兼ね備えた理想的な素材が、磁器製なのです。「清潔」であることにこだわった、磁器製洗面ボウル。陶磁器は大きく分けて陶器と磁器の2種類があり、なかでも強度や耐水性、汚れ落ちなどに優れている磁器は衛生器具にもっとも適した素材であるといえます。ところが、衛生器具の多くは大型でかなりの重量があるため、ガラス質が多い磁器だと重みによって焼成中に変形するリスクが高くなるという問題点が…。こうした理由から、現在、市場に出回っている大型の衛生器具で、磁器製のものはとても稀少な存在となっています。そんななか、「衛生器具は、何より清潔であることが重要」という考えのもと、磁器製にこだわったのが、こちらの美濃焼の洗面ボウル。密度のこまかい磁土を使った生地を、1350℃という高温で焼き締めているため強度が高く、表面も釉薬がガラス化しているためザラつきがありません。水垢などの汚れが付きにくく、お手入れも簡単。また、磁器の中に水がしみ込むこともないので、匂いなどの原因となるカビや雑菌が繁殖する心配もありません。MINOYAKI美濃焼375

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